徒然草

つれづれなるままに

2019年11月4日 オタク旅行部 キョウトday4 part2

~前回のあらすじ~

京都一人旅で延暦寺に来たワキタロウ。TRUEさんのライブ終了後、比叡山を散策しようと歩み出したのであった。

 

これが地獄もとい苦行の始まりでした。

 

そもそも延暦寺って一つの建造物じゃなくて比叡山の広大な山の中にある約100のお堂とかの総称らしく、山内を「東塔」、「西塔」「横川」の三つの地域に区分していて、そのそれぞれに本堂があるみたいです。

境内案内 | 天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]

この日僕は、地図で言うところの左下の八瀬比叡山口からロープウェイで比叡山山頂まで登り、バスに揺られ西塔Pで降車。そのまま釈迦堂まで歩いてTRUEさんのライブを見ました。

 

そこから僕は軽い気持ちで延暦寺の目玉である根本中堂まで徒歩で移動しようとしたのです。

おそらく一般的に見ればそこまで厳しくはないと思うのですが、地図をよく見ると西塔から東塔、山一つ越えてるんですよね…

t約5日分の荷物が入ったでかいリュックとショルダーバックを背負い、かつ寒いうえにまともにお腹満たしてない状態での峠越えは正直かなりしんどかったです。山頂まで行けば茶屋なり出店なりあるだろと思ってしっかり食べなかったのが仇となりました。

 

ということで皆さんも比叡山を歩いてみましょう。

釈迦堂は前回記事の写真参照ということで、まずは椿堂

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地図にもあるように参道の崖下とも言える場所にひっそりとあったお堂。何でも聖徳太子に所縁があって、登山の際に使用した杖をこの地に刺したらでけぇ木が生えたとかで命名されたとかなんとか。

 

お次は浄土院、なお椿堂からここまで結構山を下ってます。

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浄土院は比叡山延暦寺を開山した伝教大師最澄の廟所であり、比叡山で最も神聖な場所なんだとか。ここには籠山行という12年間山に籠る修行をしている僧が毎日、最澄が生きているかのように食事を用意したり掃除をしたりしているそうです。

 

息切らしながら歩いてたらいきなり出てきて「なんだここは!」となった場所。それくらい周りには何もなかったんですけど、だからこそとても静かで安らかな気持ちになれるんだろうなと感じました。境内も枯山水が見事に手入れされていて天台宗の信仰の厚さのようなものを垣間見ました。

 

 浄土院のすぐ目の前に長い長い登り階段があったのですが…

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大雨か何かの影響でしょうか、木が根こそぎ倒れていました。ワイヤーもようなもので支えているようにも見えますが…危ないなあ。

 

その長い長い階段を倒れそうになりながら登っていき、バスが通る道まで出たところにあった山王院。写真撮ったはずなのに消しちゃってたみたいなので拾い物ですが、 
         延暦寺 浄土院 山王院: 京都を歩くアルバム

こちらもひっそりと佇んでいました。ハイキングの休憩ポイントなのか、登山装備の夫婦が休んでいました。

 

 

 

そして案内に従って道なりに歩いていくと…

 

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 逆光気味ですが、なんとも雰囲気のあるお堂が見えてきました。

その名も阿弥陀堂

 少し歩いたところにあるからか、はたまた時間的なものかは分かりませんがほとんど参拝客がおらず、とても静かでじっくり見て回ることができました。

写真では分かりづらいですが全体的に朱色を基調としていて、鮮やかさ且つ豪華さが際立っていました。

 

 

阿弥陀堂を後にして東塔エリアの本堂、そして比叡山延暦寺の総本堂である根本中堂を目指す途中にあったのが戒壇院。

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山王院と似た雰囲気でした。暗めの色だし扉閉まってるしで少し不気味でした。

 

 

 

そして間もなく………

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やって来ました根本中堂。

しかし予習してなかったため軽いアクシデントが。

なんでもこの根本中堂、平成の大改修ということで2016年から約10年かけて工事をしている最中だったようで周りがすっぽり囲われていました。なので外観を撮影できなかったのですが中には入ることができたので参拝することに。

 

工事の様子は組み上げられた足場から見れるそうですが時間が無かったので断念。

奥まで進んでいくと、下図のような構造になっていました。

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右側の階段から進み中央の階段の手前まで進むことができたのですが、その構造が今までに見たことがないものでした。

中央に階段があるように僕が立っているところの下まで広い空間になっており、床はコンクリートのようなものだったため、自分が立っているところとはまるで別空間のように感じられました。

東京かどっかの地下の貯水空間みたいな(???)。さすがにあそこまで広くはないけども、少なくとも僕が今まで見てきたお堂の中はすべて畳続きだったのでそれがとても驚きでした。

中はやはり撮影禁止だったので写真はありませんが、HP等にあった写真ですとこんな感じでした。


そして写真にある三つの灯篭の中に灯されているのが1200年消えずに燃え続けているとされる「不滅の法灯」です。僕が行ったのは拝観終了間際だったので中は薄暗かったのですが、その法灯は明るく灯り続けていてとても神秘的でした。参拝客が誰もいなかったので10分ぐらいボーっとしてしまっていて、急いで外に出ました。

もしまた行けるならば、工事中にゆっくり見たいし、改修後の新しくなった姿もぜひ拝みに行きたいものです。

 

この法灯に心を奪われた僕、急いで延暦寺御朱印帳を購入。今までも神社仏閣を見るのは好きだったのですが御朱印帳には手を出せていませんでしたが遂に決心がつきました。

御朱印をいただいたところで拝観終了。実に良い経験ができました。

 

辺りは陽が落ち始めていたため下山するために滋賀側に降りるためのロープウェイ乗り場まで歩いていきました。途中、

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ここが正面入り口なのかは置いといて、いくら何でも字が汚すぎでは………

何というか、威厳が…

 

とまあ軽くショックを受けたところで乗り場に到着。発車まで時間があったので待合室で休むことに。と同時に疲れと寒さと空腹が一気に襲ってきました。根本中堂での感動で忘れていたのか、すでにギリギリでした。とりあえずあったかいものを自販機で購入。なんとか気力を振り絞って景色を見に行きました。

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でもこの景色見たらさすがに気持ちが落ち着きましたね。琵琶湖、めちゃくちゃきれいだ。

ロープウェイのお時間、この時期はとにかく暗くなるのが早い。17:30にはもう真っ暗でロープウェイ乗りながら琵琶湖見ることはできなかったです。

 

再三述べてますが、なにも旅程を決めていないこの日、当然宿も取っていない。

とりあえず、何よりもまず優先されたのは

 

「温泉に浸かること」

 

と言っても滋賀で温泉宿なんて知らないし、銭湯つってもアメニティ無いし。

そして寒さと疲労と空腹で頭も回らない。

 

だめだ、先に飯にしよう。僕はこの日人生で最も空腹に苦しんだと思います。

体調的にもおしまいだし、おにぎり一個と豚汁啜っただけで峠幾つも越えるのはさすがにしんどかったです。

 

とりあえずロープウェイから降りてバスで最寄りの駅に向かいました。

駅前なら何かしらあるだろう。調べると老舗のそば屋がありました。

思わず泣きそうになる僕、この状態で食うそばはどんなに美味いものかと。

 

店に着く僕、入り口に貼ってあったスープ切れの張り紙。

悪い意味で再び泣きそうになりました。落ち込みすぎてその写真すら撮るの忘れてました。

 

駅の周りコンビニすらなかったんですよね、あるいは視野が狭くなっていたのか。

仕方なく最寄り駅まで向かうことに、すると…

 

 

 

 

 

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たまげた~www

一気に元気になるオタク、夢中で写真を撮る。

人の目なんて気にしない(そもそも人少なかったし同じように写真を撮るオタクしかいなかった)。

宇治行った時もそうだったし、やっぱ頻繁にこういうコラボしてるのかなあ。

京都の人はもう慣れてそうだけど滋賀の人間は果たして………

 

ガワの写真を満足いくまで撮ったのち乗車、すると車内には…

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つり革一つ一つにキャラが!

僕はさすがに先に撮りましたけど、発車してからつり革に捕まらず歩いて撮影してるオタクおって「そういうところやぞ」って心の中で呟いてました。

 

そうしているうちに着いた石山駅。すでに瀕死の僕、せっかくなら滋賀ならではの物とか食べたかったですけどそんな余裕もなく、しかしまあ旅のポリシーみたいなのもあるのでチェーン以外なら何でもいい!といった感じで駅周辺をフラフラしてました。

 

そして見つけた希望の光。

 

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ラーメン屋です。ようやく、ようやくたどり着いたんだ。

 

どうやら親子二代で切り盛りしているようで、店内に入るとおじいさんが席へ通してくれました。

とにかく腹が減ってたので一番ボリュームがあるセットを注文。

 

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とんこつと油の香りが空腹にますます追い打ちをかけてきました。

それでは、いただきます。

 

味は正直に言って普通でした。しかし今まで食べてきたラーメンの中で最もおいしかったと言っても過言ではないほど感動したのを今でも覚えています。

またこの時ほど食事ができる喜びとありがたさを体感したことはありませんでした。

 

無言で、夢中で食べ進めあっという間に完食。


普段から外で食べるときも店員にいただきますとごちそうさまでした。を言うように心掛けているのですが、この時は「ごちそうさまです、ありがとうございました。」

と思わず口にしていました。

 

ありがたい食事もいただいたことで気力も回復し改めて今夜の宿を探しました。

するとどうやら滋賀の草津というところのスーパーホテルが天然温泉付きとのことだったのでさっそく電話。無事予約出来たので重い腰を上げて移動。

しかし滋賀にも草津ってあるんですね、群馬のイメージが強かったです。

 

駅から結構歩いたけど、やっとの思いでホテルに到着。

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荷物を置き、すぐさま温泉へ。

貸し切り状態だったのでめちゃくちゃリラックスできました。

寒さと峠越えの疲労が癒されていく………

出たり入ったりを繰り返して一時間くらいかけて温泉を堪能しました。

 

 

 

近くにコンビニが無かったので仕方なく自販機で飲み物を購入、

こんなに美味いビールは久しぶりだった。

 

本当にいろいろあったキョウトday4、いろいろなことに感謝させられる1日だった。

普段当たり前のように感じている身のまわりのこと、それらを大事にしようと心から思いました。

 

 

一人旅の醍醐味が詰まったそんな1日目でした。明日はいよいよこの旅の最大の目的地である滋賀県豊郷町へと向かいます。ぜひ最後までお付き合いください。

 

それではキョウトday5でお会いしましょう。